日本は人口が減少しても豊かになれる。株オンライン投資顧問の分析です。
人口が減ると経済成長はあり得ない。しかし・・・
2005年6月
2006年から日本の人口が減少すると言われているが、本当の意味で減り始めたのは15年前からだ。大手私鉄16社の年間輸送人員は1990年に100億人だったが、今は90億人だ。通勤する15歳から64歳までの「生産年齢人口」が減ったからだ。
人口が減るとゼロ成長
人口が減ると、経済成長はあり得ない。ゼロ成長になる。ただ、これも考えようだ。人口3億人のアメリカのGDP(国内総生産)は1000兆~1200兆円、5億人の欧州連合(EU)は1100~1200兆円だ。
1人当たりにすると世界で最も豊かな国
日本は500兆円だが、1人当たりにすると世界で最も豊かな国といえる。人口が減って500兆円が維持できれば、1人ずつの取り分はさらに増える。
江戸時代
江戸時代は、幕府が出来てから100年間が高度成長期で、人口は当初から倍増した。その後、明治維新までゼロ成長だったが、この間に生活は豊かになった。江戸時代は貧しく、自給自足の時代と思われているが、実際には今と同じ消費社会が成立していた。平和が続き、工業や農業の技術が磨かれた。
金融の発達
金融も発達した。大阪ではコメの先物取引も行われていた。シカゴの商品取引所は、「ルーツは日本の先物取引所であり、大阪が発祥の地」と解説している。
国と地方の借金
今、国と地方の借金は1000兆円に近い。個人金融資産が1400兆円だから、財政改革はもう待ったなしだ。江戸時代も公的部門が借金を抱え、行き詰まった。民間の不良債権処理が進んでも、公的部門の処理が終わらない限り、株価は上昇しない。道路公団や郵政の民営化も、そこが出発点だ。膿(うみ)を出し切る必要がある。
農業への参入
公共事業が減り、建設業が苦しい。地方では基幹産業になっているが、これ以上に需要は増えない。私は、これを埋める方策として農業があると考えている。今国会で改正された農業経営基盤強化促進法では、株式会社が農業に参入できる。中国などでも1粒300円のイチゴ、1個2000円のリンゴが売れる時代になった。
農業の民営化
だが、日本の農産物輸出額は1600億円しかなく、アメリカの5兆6000億円など、他の先進国と比べてケタが違う。建設業や人材派遣会社が参入すればいい。いわば、農業の民営化だ。1兆円産業を目指せる。「日本株式会社」の売上高は増えないが、利益率を上げていけば、まだまだ頑張れる。